Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よげん

予言

久生 十蘭

Lesen Sie 予言 (よげん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.000 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

摩訶止観とか止観十乗とかいって、観法というのはむずかしいものなんだ。静寂な明智をもって万法を観照するというから、一種の透視のようなものだが、そんなことが出来たのは増賀や寂心の頃までで、現代には止観文を読めるようなえらい坊主は、一人だっていやしないよ。どうして石黒のような下愚が」

と、いきまくと、安部は出来るなら和解したいと思って石黒を披露に招んだが、それがかえって気に障ったのかもしれないといった。

柳沢は煙草をふかしながら聞いていたが、

「寂心や増賀のことは知らないが、ダニエル・ホームのようなやつなら、欧羅巴にうようよしているぜ」といいだした。

「いま石黒の話が出たようだが、石黒には、前にこんな話があるんだ。墺太利の代理公使をしていたカレルギー伯爵と結婚して墺太利へ行った、れいのクーデンホフ光子夫人ね、あのひとが維納の近くに住んでいるが、そこへよく日本人が集まる。テニスのデヴィス・カップ戦がすんだあと、S選手と女流ピアニストのTがベルリンから遊びに来ていたところへ石黒がやってきたら、SとTが顔色を変えて石黒をやっつけはじめた。なんでも、Tの友達の女のひとに、石黒が悪いことをしたというんだが、あまりこっぴどくやっつけるので、光子さんが見かねて仲に入ったくらいだった。