Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

であった。

「どっちみち、ほんとにちゃんとした小説がかけるようになりたいわ、ねえ。それは同感でしょう?」

伸子は、つよい憧れを顔にあらわして云った。

「プロレタリアの生活もブルジョアの生活も、ひっくるめたようなリアルな小説がかきたい。社会はそうして動いているんだもの――リアリズムって云うのも、そういうもんじゃあないのかしら……」

「…………」

ウメ子はちょっと伏目になったような真面目な表情で、自分の意見は云わず伸子のいうことをきいた。しばらくみんな沈黙していると、素子が、男のように腕をくんでいた片手でパイプを口からとりながら、

「われわれには、階級ってものがよくわかっていないから、どうもすべてはっきりしないのさ」

と云った。

伸子は、ほんとうに眼を大きく見ひらいてそういうことを突然云い出した素子を見た。素子が、そんなことを云う。――全く思いがけないことだった。

「……あなたはわかっているの?」

「そうはっきりわかろう道理がないじゃないか。けれどさ――どうも、そういうものらしいというのさ」

「…………」

いつの間に、素子には、そういうことがわかったのだろう。この間京都へかえっていた間も、素子は祗園のおつまはんのところで夜明ししたりした。