Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふたつのにわ

二つの庭

宮本 百合子

Lesen Sie 二つの庭 (ふたつのにわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.492 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

それらのことがまざまざと思いおこされた。それは、伸子のニューヨーク行きさわぎの一年ばかり前のことであったが。――

こんどは計らず藤堂駿平の一つの力をかりることになった。藤堂駿平が面白い小説をかくようにという、それにたいして返答に困った伸子のこころはソヴェトの未知の生活のなかで、どんなに震盪され、動いてゆくのだろう。伸子自身にもそれはわかっていないことだった。

藤堂駿平にいわれたとおり、なか一日をおいて、伸子と素子とはつれだってソヴェト大使館へ行った。門を入るとすぐ植ごみがあって、その左手の高みに小公園のような内庭があった。そこのベンチに、秋の午前の日光に白く見えるほどブロンドの髪をした若い女がかけて、よちよち歩きの幼児を遊ばせていた。ソヴェト大使館には警視庁の私服の刑事がはりこんで、出入りする日本人を見はっているという話があり、伸子と素子とは、漠然と緊張した気もちで、人影のない植ごみの横の事務所のベルを押した。戸が内側へあいて、若い、つやつやと光ったまるで真新しい麦わらのように新鮮な感じの館員が出て来た。用むきをきくと、一旦ひっこんで、伸子たちは構内にある文化聯絡協会の事務所へ行ってパルヴィン博士に会うように、ということだった。