Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 二つの (ふたつのじょぶん) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.903 Zeichen · 236 Bildschirme
全山を蔽った厚い降灰層が、その後の基盤地形の変化によって、散々に割られたのである。今にも全山が崩壊しそうな気がする。薄気味悪い思いをしながら、深い地割れをまたいで登って行く。いよいよ新火山にとりつくと、地鳴りはますます激しくなる。ごうごうと全山が身を震わせて鳴っているようである。何だか本統にその振動が脚下に響いて来るようである。
外輪山壁にとりついて、噴煙の円頂丘に面と向った時に、景色がまるで一変したという感じを受けた。熱灰の下の山野は死の世界であるが、この今大地の底から押し上って来た岩山は、スタインの言葉を借りれば、それは生を知らぬ世界である。まず眼を見張るのは、その多彩なる色彩である。一遽に四〇五メートルも押し上げられた地殻は、その表土をかなぐり棄てて、地下の岩盤をあらわに露出している。今まで地熱とガスとに焼かれていたその岩盤は、縦横に打ち割られて、一メートルから二メートルくらいの岩塊の集りとなって、危く山の形を保っている。百万年の間地下に秘められ、今新しく初めて陽光を見る岩の色は、極めて鮮かである。それは人界にある色とはちがった美しさである。