Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 二つの (ふたつのじょぶん) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.903 Zeichen · 236 Bildschirme
」ところがやっと落著けるかと思うと、一日おいてすぐ「浜より竹崎の主婦来り一昨日引移りし家は元来が借家にて家主より苦情を申込みたる由」を報じて来た。こういう事件が精神的にも肉体的にも、この可憐な病人にひびかないはずはない。
八月十一日「暴風雨。桂浜の茅屋を思ふ」
八月十三日「朝夢に襲はれて泣く」「夏より端書来る。一昨日より嘔気を催し困難の由報じ来る」「片山医師へ夏の容体に就き意見を聞きに行く 衰弱すべしとの事なり。」事情はだんだん切迫して来る。父君はしばしば桂浜へ行かれる。そして「夜九時頃父上帰宅。夏は嘔気も止み経過良好との事」という報告をされる。
夏休みもいよいよ終りに近づき、先生の一年間の休学期間も切れて、復校の時期が迫って来た。八月二十一日、別れの言葉をかわすために、先生は初めて桂浜の病床を訪われた。父君も一緒である。「正午より父上と桂浜に行き夏を訪ふ。次第に快き由なり。」「夏は思ひし程衰弱し居らず。戯れに写生帖にハンケチ頸に巻きたる姿を写す。別れ際に我衣の懐のだらしなく膨れたるを見て」とここで日記はぼつんと切れている。その欄外に後から書き入れられた Last interview!!! という文字が悲しく残っている。