Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 二つの (ふたつのじょぶん) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.903 Zeichen · 236 Bildschirme
しかしその時には既に、若い可憐な奥さんの身体には、不治の病がひそみ込んでいたのであった。「おとゞしの正月の事何くれと思出」されるのも無理のない話である。
苦しいそして美しい思い出は、日の経つにつれて、柔かな暈光をおびて来る。四月五日の日曜日、晴れた春の陽を浴びて、「竹崎と植物園に行く 温室には珍しき草の花数知れず。桜も今を盛りなり。ヒアシンスの紅白紫に咲き乱れたるは更に美し。昔ながらの園生の錦、昔しの人をしのぶ種も沢なり」。
思い出に美しい紗のカーテンがかかって来た。それには漱石先生が、この年の一月に倫敦から帰って来られ、その家への出入りが再び頻繁に始まったことも、あずかって力があったのであろう。それに卒業実験も忙しくなり、また本もよく読まれ、物理学へ没入して行かれた。
この間に日露の関係は次第に険悪になり、ついに翌三十七年に戦争がはじまった。先生は大学院で実験物理学を専攻することになっていたが、初めは地球物理学方面の仕事が多かった。そして日露開戦の二月には、熱海の間歇泉の研究を本多光太郎先生と一緒にされていた。
夏目先生も、戦争とは余り関係のない『猫』