Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたりいるとき
二人いるとき
宮本 百合子
Lesen Sie 二人いるとき (ふたりいるとき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.672 Zeichen · 18 Bildschirme
打撃がひとより深刻ですもの。才能っていうか、生きる意力っていうか、そういうものがよっぽどなければ、その深刻な打撃を芸術と生きる態度の上のプラスにするのがむずかしいもの。大変な努力だろうとしみじみ思うわ」
好子の良人は或る機械工場に勤めている技師であったが、この夫婦の生活の色合いは、例えば今も好子が、
「そりゃ、居なくったってどうにか食べては行けるにしたって、ねえ」
と自分の心持を云いあらわすようなところで、多喜子たちと違っているのであった。多喜子は三畳の方へ来て、テーブルの上へ型紙をひろげながら、
「ねえ、あなたのところはどう? 私たちこの頃、また随分いろいろ話し合うようになったわ。昔左翼のひとでね、夫婦の間で決して翌日まで喧嘩をもちこさない約束で暮している人がいたって、その気持やっと今わかるようだわ」
好子にしろ、洋裁をやり始めたには、やはり勝たずば生きてかえらじという歌を流行歌のようにはきいていられないものがあってのことなのである。
心の内から堰あふれて来るものに動かされている眼の表情で、多喜子は、
「好子さん、あなた、詩人に注文がない?」
と云った。