Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたりのセルヴィヤじん
二人のセルヴィヤ人
辰野 隆
Lesen Sie 二人のセルヴィヤ人 (ふたりのセルヴィヤじん) von 辰野 隆 (たつのゆたか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.804 Zeichen · 14 Bildschirme
プリンチプは捕えられたが、彼は昂然として「セルヴィヤの為に」と答えた。
此処迄が話の序曲だが、中途は端折って直ちに結論に移ろう。と云って、主人は飲みかけの盃を乾すと更らに語り続けた。
プリンチプとFとが同志であったか、どうか、それは知らない。然し暗殺事件の後、間もなく、Fの姿はベルグラードから影のように消えて了った。大戦争が始まった。Fは絶えず故国を思いながら、イタリアを放浪して歩いた。イタリアのオーストリアに対する宣戦からパリの講和会議。続いて小国の独立、ボルシェヴィキの軍国化、ファシストの擡頭、各国社会党の過渡的消沈、など目まぐるしいばかりに推移って行く欧州の劇的な変化を目撃した後、Fはフランスに入って、パリに暫く足を停める事になった。主人は一息ついてから目を皿のようにして天井を指しながら宿の四階に居た乙女のように柔和なセルヴィヤ人が其のFであった。実は今朝、Fの親友のセルヴィヤの彫刻家から、始めて此の話を聞いた。どうだ驚いたろう。人は見かけに依らないと云うが、此位い見かけない話はないと思う。と語り了って主人は私の顔を昵と見詰めた。
私も全く驚いた。