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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふたりまちやっこ

二人町奴

国枝 史郎

Lesen Sie 二人町奴 (ふたりまちやっこ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.555 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

藤兵衛ピンと胸を反らせた。

「ご贔屓さまはご贔屓さま、なにかとご用には立ちますが、儀に外れたお頼みは、引き受けることではござりませぬ」

立派に言い切ったものである。

「さようか」と伊豆守打ち案じたが、

「では町奴と申すもの、世上の花! 仁侠児だの」

「御意の通りにございます」

「で近世名に高い、町奴といえば何者かの?」

声に応じて緋鯉の藤兵衛、ここぞとばかり大音に言った。

「近世最大の町奴、藩隨院長兵衛にございます」

「ふふん、さようか、藩隨院長兵衛?」

伊豆守、首を傾げた。

「その藩隨院長兵衛というもの、町人の身分でありながら旗本水野十郎左衛門に、無礼の振舞い致した由にて、水野十郎左衛門無礼討にしたはず、さような人間が偉いのか」

「申し上げます」と緋鯉の藤兵衛、この時ズイと膝を進めた。

それから云い出したものである。

「藩隨院長兵衛事一代の侠骨、町奴の頭領にございました。江戸に住居する数百数千、ありとあらゆる町奴、みな長兵衛を頭と頼み、命を奉ずる手足の如く、違う者とてはございませんでした。さてところでその長兵衛、どのような人物かと申しますに、素性は武士、武術の達人、心は豪放濶達ながら、一面温厚篤実の長者、しかも侠気は満腹に允ち生死はつとに天に任せ悠々自適の所もあり、子分を愛する人情は、母の如くに優しくもあれば、父の如く