Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうさんばんち
二十三番地
宮本 百合子
Lesen Sie 二十三番地 (にじゅうさんばんち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.579 Zeichen · 27 Bildschirme
「出て行け出て行け。
とあとを追って行った。
あきれはててまばたきもしずに見て居た女中達は、私共にその様子を話してきかせながら、
「女って浅間しいものでございますねえ。
奥さまとも云われるお方がまあ何と云う事でございましょうねえ。
旦那様のお顔にもかかわりますのに。
あんな事をなさる奥様が東京にでも有るんでございましょうか。
と云って居た。
眉をひそめながらも笑わずには居られなかった。
磐額の様な女がベソをかきながら悪口を云って居る顔付を想像するとたまらなくなる。
其の奥さんが又来たと云うので何と云う事はなし皆が可笑しがるのである。
「又あんな事がもちゃがあるでございましょうかねえ。
と、女中は、待たれると云う様な素振りをして居る。
二三日の間は、家内の片づけにせわしないと見えてバタバタと朝早くからその奥さんも働いて居たが、あらまし目鼻がつくと、小さい子供を膝に乗せて、投げ座りのまんま舟を漕いで居る様子などが、まばらな松の葉の間から、手に取る様に見えた。
「あの人は気が柔かくなったと見えて居眠りばかりして居る。
長生きが出来ていいでしょう。
などとこっちの家では噂をして居る。