Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme

Aozora Bunko

「やめる? なんでまた」

「やめて一文菓子屋でもするほうがましよ。まい日まい日忠君愛国……」

「これッ」

「なんでお母さんは、わたしを教師なんぞにならしたの、ほんとに」

「ま、ひとのことにして、おまえだってすすんでなったじゃないか。お母さんの二の舞いふみたくないって。まったく老眼鏡かけてまで、ひとさまの裁縫はしたくないよ」

「そのほうがまだましよ。一年から六年まで、わたしはわたしなりに一生けんめいやったつもりよ。ところがどうでしょう。男の子ったら半分以上軍人志望なんだもの、いやんなった」

「とき世時節じゃないか。お前が一文菓子屋になって、戦争が終るならよかろうがなあ」

「よけい、いやだわたし。しかも、お母さんにこりもせず、船乗りのお婿さんもらったりして、損した。このごろみたいに防空演習ばっかりあると、船乗りの嫁さん、いのちちぢめるわ。あらしでもないのに、どかーんとやられて未亡人なんて、ごめんだ。そいって、今のうちに船乗りやめてもらおかしら。二人で百姓でもなんでもしてみせる。せっかく子どもが生まれるのに、わたしはわたしの子にわたしの二の舞いふませたくないもん。やめてもいいわね」