Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
一本松でございます。お降りのかたは……。
車掌の声に思わず立ちあがり、あわてて車内を走った。例の年よりに会釈もそこそこ、ステップに足をおろすと、いきなり大吉の声だった。
「母ちゃん」
濁りにそまぬかん高いその声は、すべての雑念をかなたに押しやってしまおうとする。
「母ちゃん、ぼくもう、さっきからむかえにきとったん」
いつもならば、ひとりでに笑えてくる、きれいにすんだその声が、今日は少しかなしかった。笑ってみせると大吉はすぐ甘えかかり、
「母ちゃん、なかなか、もどらんさかい、ぼく泣きそうになった」
「そうかい」
「もう泣くかと思ったら、ブブーって鳴って、みたら母ちゃんが見えたん。手えふったのに、母ちゃんこっち見ないんだもん」
「そうかい。ごめん。母ちゃんうっかりしとった。大方、一本松忘れて、つっ走るとこじゃった」
「ふーん。なにうっかりしとったん?」
それには答えず包みを渡すと、それが目的だといわぬばかりに、
「わあ、これ、ランドセルウ? ちっちゃいな」
「ちっちゃくないよ。しょってごらん」
ちょうどよかった。むしろ大きいぐらいだった。大吉はひとりでかけだした。
「おばあ、ちゃーん、ランド セルウ」