Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
みんな、それぞれ一つずつ進級したことが心をはずませ、足もとも軽かったのだ。かばんの中は新らしい教科書にかわっているし、今日から新らしい教室で、新らしい先生に教えてもらうたのしみは、いつも通る道までが新らしく感じられた。それというのも、今日は、新らしく分教場へ赴任してくる女先生に、この道で出あうということもあった。
「こんどのおなご先生、どんなヤツじゃろな」
わざとぞんざいに、ヤツよばわりをするのは、高等科――今の新制中学生にあたる男の子どもたちだ。
「こんどのもまた、女学校出え出えの卵じゃいよったぞ」
「そんなら、また半人前先生か」
「どうせ、岬はいつでも半人前じゃないか」
「貧乏村なら、半人前でもしようがない」
正規の師範出ではなく、女学校出の準教員(今では助教というのだろうか)のことを、口のわるい大人たちが、半人前などというのをまねて、じぶんたちも、もう大人になったようなつもりでいっているのだが、たいして悪気はなかった。しかし、今日はじめてこの道を歩くことになった五年生たちは、目をぱちくりさせながら、今日仲間入りをしたばかりの遠慮さで、きいている。だが、前方から近づいてくる人の姿をみとめると、まっさきに歓声をあげたのは五年生だった。