Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme

Aozora Bunko

小林先生も、今日は分教場にいる子どもたちに、別れのあいさつにゆくところなのであろう。

「先生、こんどくる先生は?」

「さあ、もうそろそろ見えるでしょう」

「こんどの先生、どんな先生?」

「しらんのよ、まだ」

「また女学校出え出え?」

「さあ、ほんとにしらんの。でもみんな、性わるしたら、だめよ」

そういって小林先生は笑った。先生もはじめの一年は途中の道でひどく困らされて、生徒の前もかまわず泣いたこともあった。泣かした生徒はもうここにはいないけれど、ここにいる子の兄や姉である。若いのと、なれないのとで、岬へくるたいていの女先生が、一度は泣かされるのを、本校通いの子どもらは伝説として知っていた。四年もいた小林先生のあとなので、子どもたちの好奇心はわくわくしていた。小林先生と別れてからも、みんなはまた、こんどくる先生の姿を前方に期待しながら、作戦をこらした。

「芋女ォって、どなるか」

「芋女でなかったら、どうする」

「芋女に、きまっとると思うがな」

口ぐちに芋女芋女といっているのは、この地方がさつま芋の本場であり、その芋畑のまん中にある女学校なので、こんないたずらな呼びかたも生まれたわけだ。