Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
もちろんいるわけがない。それどころか早苗もまだ帰らないというのだ。かえりに荒神さまをのぞいてみたが、杉の木かげに遊んでいたのはコトエより少し大きい子や、小さい子ばかりだった。だれにともなく大声で、
「おまえら、うちのコト、知らんかいの?」
「しらんで」
「一ぺんも、今日は見んで」
「早苗さん家とちがうか」
いろんな返事が矢つぎ早にとんできた。それはみな腹の立つ返事ばかりだった。
「しょうのないやつじゃ、ほんまに。見つけたら、すぐもどれいよったと、いうておくれ」
おばんは、ひょいと投げるようにして赤ん坊を背中にやり、まだわかりもしない赤ん坊に話しかけた。
「姉やんは、どこへうせやがったんじゃろな。コトのやつめ、もどってきたら、どやしつけてやらんならん」
しかし、昼飯もまだなのを思うと、少し心配になった。心配しいしい土間でぞうりを作っていると、川本大工のおかみさんが、気ぜわしそうな足どりでやってきた。
「こんちは、えいお天気で。うちのマツを見にきたんじゃけんど、見えんなあ」
それを聞くと、コトエのおばんはぞうり作りの手をおいて、
「マッちゃんもかいな。昼飯も食べんと、どこをほっつき歩きよんのかしらん」