Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
コトエさえももう泣いてはいず、一心にバスを見まもっていた。もうもうと、煙のように白い砂ぼこりをたてて、バスは目の前を通りすぎようとした。と、その窓から、思いがけぬ顔がみえ、
「あら、あら!」
といったと思うと、バスは走りぬけた。大石先生なのだ。
わあッ!
思わず道へとびだすと、歓声をあげながらバスのあとを追って走った。新らしい力がどこからわいたのか、みんなの足は早かった。
「せんせえ」
「おなごせんせえ」
途中でバスがとまり、女先生をおろすとまた走っていった。松葉杖によりかかって、みんなをまっていた先生は、そばまでくるのをまたずに、大きな声でいった。
「どうしたの、いったい」
走りよってその手にすがりつきもならず、なつかしさと、一種のおそろしさに、そばまでゆけず立ちどまったものもあった。
「先生の、顔みにきたん。遠かったあ」
仁太が口火をきったので、それでみんなも口ぐちにいいだした。
「みんなでやくそくして、だまってきたん、なあ」
「一本松が、なかなか来んので、コトやんが泣きだしたところじゃった」
「せんせ、一本松、どこ? まだまだ?」
「足まだ痛いん?」
笑っている先生の頬を涙がとめどなく流れていた。