Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
なんのことはない、一本松も先生の家も、すぐそこだとわかると、また歓声があがった。
「ほたって、一本松、なかなかじゃったもんなあ」
「もう去のうかと思たぐらい遠かったな」
松葉杖をとりまいて歩きながら先生の家へゆくと、先生のお母さんもすっかりおどろいて、きゅうにてんてこまいになった。かまどの下をたきつけるやら、何度も外に走りだすやら、そうして一時間ほども先生の家にいただろうか。そのあいだにキツネうどんをごちそうになり、おかわりまでするものもいた。先生はよろこんで、記念の写真をとろうといい、近所の写真屋さんをたのんで、一本松まで出かけた。
「もっと、みんなの顔みていたいけど、もうすぐ日がくれるからね。うちの人、心配してるわよ」
帰りたがらぬ子どもらをなだめて、やっと船にのせたのは四時をすぎていた。短かい秋の日はかたむいて、岬の村は、何ごともなかったかのように、夕ぐれの色の中に包まれようとしていた。
「さよならァ」
「さよならア」
松葉杖で浜に立って見おくっている先生に、船の上からはたえまなく声がかかった。
三人の大人たちが町から村をさがしまわっているとき、十二人の子どもは、思いがけぬ道を通って村へもどった。