Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
「ね、遠い遠い道でしょ。そこを、ひょこたん ひょこたん と、ちんばひいて歩いてくると、日がくれるでしょ。それでね、だからね、だめなの」
それでも子どもたちにはさっしがつかなかった。網元の森岡正が、正らしい考えで、
「そんなら先生、船できたら。ぼく、毎日迎えにいってやる。一本松ぐらい、へのかっぱじゃ」
正は近ごろ櫓がこげるようになり、それが自慢なのであった。先生も思わずにこにこして、
「そうお、それで夕方はまた、送ってくれるの?」
「うん、なあ」
あとをソンキにいったのは、少し不安でソンキに加勢を求めたものらしい。ソンキも、うなずいた。
「そう、ありがとう、でも、困ったわ。もっと早くそれがわかってたらよかったのに、先生もう、学校やめたの」
「…………」
「今日は、だからお別れにきたの。さよなら、いいに」
「…………」
みんなだまっていた。
「べつのおなご先生が、すぐきますからね、みな、よく勉強してね。先生、とっても岬を好きなんだけど、この足じゃあ仕方がないでしょ。また、よくなったら、くるわね」
みんな一せいにうつむいて先生の足もとを見た。早苗が目に一ぱい涙をため、それをこぼすまいとして、目を見ひらいたままきらきらさしている。