Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lesen Sie 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 113.429 Zeichen · 227 Bildschirme
松江ぐらいの女の子なら、三人分はゆうにはいる大きな、深い弁当箱が、小学校の教室ではどれほどこっけいにみえるかを、彼女は考えなかった。柳行李よりはそのほうがよいと思ったのだ。それどころか、からだにつたわってくる弁当のぬくみは、彼女の心をほかほかと温めつづけていた。小ツルの問いに、思わず、明日と答えたけれど、明日は買ってもらえない。しかし、あさっては買ってもらえるかもしれないと考えると、彼女はひとり笑えてきた。こんな、温かい気持で出かけていった松江であった。松江にかぎらず、みんな何かしらうれしがっていた。マスノは新らしいセーラー服をきて自慢らしかったし、コトエはおばんの作っておいてくれたぞうりの鼻緒に赤いきれのないこんでいるのがうれしそうだった。まるで大学生の着るようなこまかいさつまがすりの袷をきせられている早苗は、赤いはっかけ(すそまわし)を気にして、ときどきうつむいて見ている。じみなその着物を人に笑われないうちに、早苗の母はいったのである。
「なんと、じみすぎておかしいかと思うたら、赤いはっかけでひきたつこと。そんでまた、これが早苗に似合うというたら。