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Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

「あら……お父様。お呼びになったの」

「……うむ。こっちへお出で……」

「……嬉しい。又、どこかのお芝居へ連れてって下さるの」

と呉羽嬢が甘たれかかるのを抱きあげて身を起した轟氏は立上って、入口の扉に鍵を卸し、窓のカアテンを閉して異様に笑いながら寝椅子に帰り、呉羽の身体を抱き上げる。

「きょうは、私の方からお前にお願いがあるんだよ」

と少し真面目に帰りながら、二人の身の上話を初め、前の幕の通りの事を簡略に物語り、二人が真実の親子でない事を明らかにする。

その一言一句に肩をすぼめ、眼を閉じて魘えながらも、不思議なほど冷然と聞いていた呉羽は、やがて冷やかな黒い瞳をあげて微笑する。

「それで妾にお願いって仰言るのはドンナ事なの……」

轟氏は忽ちハラハラと涙を流し、熱誠を籠めた態度で、呉羽の両手を握る。

「……オ……俺は、お前を一人前に育て上げてから、両親の讐仇を討たせようと思って、そればっかりを楽しみの一本槍にして、今日まで生きて来たんだ」

「……まあ……そんな事……どうでもよくってよ。今までの通りに可愛がって下されば、あたしはそれでいいのよ」

「……ウウ……そ……それは……その通りだ。