Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にじゅうしんぞう

二重心臓

夢野 久作

Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

その上にこの頃、あんな芝居ばかりさせられて来たもんだから根性がイヨイヨドン底まで変態になってしまっているらしいのだ。あのミドリさんと同棲して、お姉さんお姉さんと呼ばれて暮すことが出来さえすれば妾はモウ死んでも構わない。これを許して下されば妾は新しい生命に蘇って、モットモットすごい芝居を、モットモット一生懸命で演出して、今の呉服橋劇場の収入を三倍にも五倍にもしてみせる。そうしてミドリさん兄妹を洋行させて頂けるようにする……今みたいな人間離れのしたモノスゴイ芝居ばかりさせられながら、何の楽しみも与えられない月日を送っていると妾はキット今にキチガイになります。今でも芝居の途中で、そこいらに居る役者たちの咽喉笛に、黙って啖付いてみたくなる事がある位ですが、ホントウに啖付いてもよござんすか……ってスゴイ顔をして轟さんにお迫りになったそうですね」

「……………」

「私はまだまだ色々な事を知っているのですよ。轟さんはズット前からよく云っておられました。あのミドリ兄妹は放浪者だったのを轟さんが旅行中に拾って来られたもので、兄に美術学校の洋画部を、妹に音楽学校の声楽部を卒業おさせになったものですが、兄の方の絵はボンクラで物にならず、とうとうヘボ脚本屋に転向してしまったのですが、これに反して妹の美鳥の方はチョット淋しい顔で、ソバカス