Japanische Klassiker mit Furigana
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ごえもんとしんざ
五右衛門と新左
国枝 史郎
Lesen Sie 五右衛門と新左 (ごえもんとしんざ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.405 Zeichen · 21 Bildschirme
そのうち珍酒を振舞候はんとて、とり/″\の名酒あまたよせて、すゝめにける。とかくして時も移る程に、はや祇園会も初まる時分に候、いざ/″\御供仕らんとて、又件の鳶の羽に打乗て、虚空をさして飛けるが、刹那がうちに、祇園の廊門のうへにぞ落着ける、まこと神事の最中なれば、都鄙の貴賤上下、東西南北は充満して、人のたちこむこと家々に限りなくぞ見えにけり。五右衛門申されけるは、むかふへ来る武士どもを見給へ、身長に及ぶ大太刀をさして、張肘にて、大路せばしと多勢ありく事の面憎さよ、殿下もつれ/″\におはしまさんに、ちと喧嘩をさせて、賑にひらめかせ、見物せんとて、棟の上へ生ひたる苔を、すこしづつ摘み、ばり/″\と投ければ、御辺は卒爾を、人にしかけるものかなといふ中に、又飛礫を雨のごとくに打ければ、総見物ども入乱て、このうちに馬鹿者こそ有遁すまじとて、太刀かたな引ぬきて、爰に一村かしこひに一むすび、五人三人づつ渡しあひて、しのぎを削り、うち物よりも火焔を出す。女童是を見て、四方へばつと逃まどふ。あれ/\殿下御覧ぜよ。なによりも面白き慰にて候はぬかと云ひければ、殿下のたまひけるは、さのみは人を苦めて、罪造りて何かせん、はや/\やめ候へと宣へば、さあらば喧嘩をやむべしとて、西の方を二三度まねきければ、見物の人々も、喧嘩をいたす輩