Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ごえもんとしんざ

五右衛門と新左

国枝 史郎

Lesen Sie 五右衛門と新左 (ごえもんとしんざ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.405 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

いつ来たものとも解らなかった。誰一人気が付いた者がなかった。

ギョッとして秀吉は声をかけた。

「貴様は誰だ! 何者だ!」

すると其の男は一礼したが、

「小笠原民部でございます」

それは「忍術十人衆」の、小笠原民部一念斎であった。

「おお民部か、これはこれは」苦笑せざるを得なかった。

「何時何処から這入って来たな? いやいやお前は忍術の達人、これは訊くだけ野暮かもしれない。……で、何か用事かな?」

「今夜、先刻より、石川五右衛門、忍び込みましてございます」

これを聞くと一座の者は、颯とばかりに顔色を変えた。

「うむ、そうか、縛め取れ!」

秀吉は烈しく命令した。

「只今苦戦中でございます」

「ナニ苦戦? なんのことだ?」

「我等十人十方に分れ、厳重に固めて居りますものの、五右衛門は本邦無雙の術者、ジリジリ攻め込んで参ります」

「うむ」と秀吉は渋面を作った。

「そこで御注意致し度く、参上致しましてございます。……如何様な不思議がございましても、決してお声を立てませぬよう」

「声を上げては不可ないのか?」

「決して決してなりませぬ。誰人様にも申し上げます。決してお声を立てませぬよう。