Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごがつのそら

五月の空

宮本 百合子

Lesen Sie 五月の空 (ごがつのそら) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.361 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

お前の 愛に捧げよう、

我生をその愛に献じ

魂をこめて生命を伝えたら

生存が お前の奥に埋もれ切った時

お前らは 私の囲りで 素晴らしいモニュメントともなるだろう。

ひとは 只一ひらの紙を見る。

然し 何たる命があるか

よき友わたしばかりは

神秘な おまえの息ぶきを感じるのだ。

*

心が沈み 希望が色あせた時

よき友、お前はその点々の線から

サファイヤのような耀きを燦めかせて

私の心を 鼓舞して呉れ。

お前の裡には

慕しい我北国の田園も

日に戦ぐユーカリの葉もある。

野に還し、不思議な清澄への我ノスタルジアを癒して呉れるのは

お前の

見えない心の扉ばかりだ。

無限の世界の上に

ただ ひとひら

軽く ふわりと とどまって居るお前

耳を澄せば 万物の声が聴える

眼をきよめれば 宇宙があらわれる

畏ろしい 而も 謙譲なお前

紙と呼ばれて

ねんごろに 日を照り返すのだ。

五月二十九日

わが心 素朴な 原始に還り

一目で、ものの しんを掴みたく思う。

現代の 複雑さ、未来派や耽美派やソシアリストや

皆、生命の ワン グリムプスを奉じて居ると思う。

生命の本源、生存の真髄は

決して、ナレッジで啓かれ、触れられると思わない。