Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
森下 雨村
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 森下 雨村 (もりしたうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.990 Zeichen · 26 Bildschirme
留公が頬っぺたでも殴られたように唖然とした顔をした。
「しらばっくれるな。二千円の札束が入ってたろうというんだ」
「じょ、冗談じゃない。札束なんか入ってるもんですか。鐚一文も入っちゃいませんでしたよ」
「あとで泥を吐いたら承知せんぞ」
警部の声が大きくなった。
「だれが嘘なんか吐くもんですか。旦那、これでもあっしは江戸ッ子ですぜ」
「ふん、立派な江戸ッ子だ。それでと、金のことはまあ後回しとして、てめえはどうしてあの社長室へ入ったんだ。だれもいなかったのか?」
「そうですね。まあ、いなかったというんでしょうね。ありゃ、四時ちょっと前でしたよ。何か拾いものはないかと思って、Sビルディングへやって来たんです。エレベーターを三階で降りてうろうろしてたんですが、何もないので四階から五階へと階段を上がっていくと、ちょうどエレベーターを降りた一人の男が、筋向こうのドアの前に立って、こつこつとやっているんです。あっしはその前を通り過ぎて、廊下を左へ曲がろうとしてなにげなく振り向くと、ドアを叩いていた男といま一人の男が、廊下を反対に階段のほうへ行くんです。だもんで、すぐ引っ返して鍵穴から覗くと、中にはだれもいないで、テーブルの上にそいつが載っているんです。