Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
甲賀 三郎
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.373 Zeichen · 25 Bildschirme
未来のことを考えると、絶望が真っ暗な大きな口を開けて待っているだけだった。
社長の死は艶子にも大きな疑問だった。社長は確かに彼女の前に倒れた。しかし、それは彼女の加えた一撃によってであったろうか。野田はいつあの部屋に入ってきたのだろう。社長の倒れたのに野田は無関係だったろうか。社長はあの時にもう死んでいたのだろうか。社長は自分が殺したのだろうか。こんな疑問を艶子は少しも解決することができなかった。野田のことが少しも分からないので、自首していいのやら悪いのやら、それも彼女には分からなかった。彼女は日夜、煩悶するばかりだった。そうして痩せ衰えていくのだった。
* * *
表の格子ががらりと開いた。
ばね仕掛けのように飛び上がった艶子は、無意識に縺毛を掻き上げながら耳を澄ました。
「ごめんください」
はっきりした男の声である。家はしーんとしている。小母さんは用たしに出かけたらしい。
艶子は襖を開けて、そっと表を覗いた。
「艶子さんですか」
目ざとく見つけた男は声をかけた。聰明な顔に皮肉な笑みを浮かべた穏やかな男である。