Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
甲賀 三郎
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.373 Zeichen · 25 Bildschirme
どういうことっておっしゃってください」
「困りますね」
「わたしだって困ります」
長谷川はいつの間にか玄関に腰をかけていた。艶子もその前に坐り込んでいた。
「じゃ、訊きましょう。社長さんがあんな死に方をしてずいぶん気味が悪いでしょう」
「ええ」
「夜、よく寝られますか」
長谷川は艶子の瞼を見上げた。艶子は慌てて顔を外らしてどぎまぎしながら、
「寝られ――ませんわ」
「そうですか。じゃ、夢を見るでしょう」
「ええ、見ます」
「どんな夢を見ますか」
「どんな夢?」
相手の心を量りかねて、艶子はじっと長谷川を見つめた。
「ええ」
相手は平然としている。
「いつの夢ですか」
「いつのでもいいのです」
「それを訊いてなんになさるの」
「夢の話はね、創作のいい刺激になるのですよ」
「…………」
艶子は黙して答えなかった。彼女はこのごろ夢を見つづけている。悩ましい奇怪な夢ばかりを見つづけている。今朝の夢はとりわけ奇怪なものだった。彼女はいまでもまざまざと覚えている。
彼女は暗い、穴のような廊下をずんずん下りていった。廊下の突き当たりに狭苦しい、小さな寺の本堂を思わすような部屋があった。護摩壇に盛んに煙が上って、陰気臭いにおいが鼻をぷーんと打つ。