Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんぞうにんげんエフし

人造人間エフ氏

海野 十三

Lesen Sie 人造人間エフ氏 (じんぞうにんげんエフし) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.879 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

そうだ、それだ。マリ子を救わなければならない。

(自分のいのちを的にして、一つおもいきりこの危難とたたかってみよう)

正太は、いまやよわよわしい気持をふりすてて、いさましい日本少年としてたたかう決心をしたのだった。

「ねえ、マリちゃん。どう考えても、まだしんぱいすることはないよ。僕も、船員のひとに力をあわせて、ウラル丸がたすかるようにはたらいてくるから、マリちゃんはさびしいだろうけれど、その間、船室で待っておいでよね」

「まあ兄ちゃんちょっと待ってよ」

「兄ちゃんのことはいいよ。はやく船室にはいって……」

「兄ちゃん、兄ちゃん……」

マリ子はこえをかぎりに、兄の正太をよびとめたが、正太はどんどんと甲板の人ごみのなかにはしりこんで、姿は見えなくなった。

そのとき、ウラル丸の船橋には、船長と一等運転士が顔をそばへよせて、なにごとか早口で囁きあっていた。

「船長。どっち道、もうだめですよ」

「そう弱気をだしちゃ、こまるね。しかし無電機をこわされちまったのは困ったな」

「無電技士が、しきりにSOSをうっているとき、うしろに人のけはいがしたので、ふりむいた。するととたんに頭をなぐられて、気がとおくなってしまった。