Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんぞうにんげん

人造人間

平林 初之輔

Lesen Sie 人造人間 (じんぞうにんげん) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.736 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

「お父さま、百日紅と書いてどうしてサルスベリと訓むんですか?」

「むずかしい質問だね、お父さんは知りませんよ。兄さんにたずねてごらん、兄さんは物識りだから」

「日本語なんか僕知らないや、百がサルで日がスベで、紅がリだろ。英語では百日ってハンドレッド・デイっていうよ」

「ハンドレッド・デイズだよ。複数だから」

「矢っ張りお父さんは偉いなあ。昨日の新聞にお父さんの写真がのってたね。内藤さんの写真と一しょに。内藤さんも随分えらいんだね」

村木博士はいつものように、十四と十二になる長男と長女とを相手に、登校前の遊び友達になって過していた。博士は春から夏にかけては、毎朝五時に起きて、水曜日に一度大学の生理学教室へ講義に出かける以外、ふだんの日は八時から午後五時まで、自宅の邸内に設けてある実験室で過すことになっていた。ただ八月だけは、鎌倉の別邸で暮すことになっていたが、そこにも一部屋を実験室にあててあった。房子と知りあいになった場所は、この鎌倉の別邸だった。で、朝の三時間は博士は完全に家庭の父であり、昼間の九時間は、完全に研究のためにあてられていた。この日課は、正確な時計のように一度も狂ったことがなかった。