Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんレコード
人間レコード
夢野 久作
Lesen Sie 人間レコード (にんげんレコード) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.936 Zeichen · 20 Bildschirme
「わかるかい」
と青年ボーイの声……。
「わかります。ソビエットの宣伝でしょう」
と少年ボーイの緊張に震えた声……。
「片山潜の口調だよ。これあ……」
「エッ片山潜……」
「そうだ。日本で××××運動をやって露西亜へ逃込んだ今年七十か八十ぐらいの老闘士だ。今東洋方面の宣伝係長みたいなものをやっている。彼奴の声だよ、これあ」
「どうしてわかります」
「この前コイツの宣伝レコードが日本に紛れ込んだ事がある。そいつを機密局の地下室で聞かせてもらったことがあるが、声までソックリだよ。人間レコードって恐ろしいもんだね」
「呆れた爺ですね。その片山って爺は……」
「ウン。あんまり学問をし過ぎちゃって頭が普通でなくなっているんだよ。医学上でヒポマニーという精神病だがね。普通の人間以上のことをしていなくちゃ生きていられないようになっているんだ。そいつを知らないもんだから日本の×の連中は片山潜といったら神様みたいに思っているんだ。ソイツを利用してソビエットが宣伝に使っているんだ」
「つまりこの声をレコードに移して、片山潜の肉声だと云って配るんですね」
「そのつもりらしいね。非道い真似をしやがる」