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Japanische Klassiker mit Furigana

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にんげんさんすいずまき

人間山水図巻

吉川 英治

Lesen Sie 人間山水図巻 (にんげんさんすいずまき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.343 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

いくら世の中が変ったからといって、友達の顔まで忘れなくてもいいだろう』

『けれどこんな所で、君に会おうなんて……しかも君の姿だって、まったく前の君とは似てもつかないし』

『それやそのはずだ。何しろあの峨々たる大行山脈に住んでいるんだから、俺だって、かなり野性に返ったろうさ』

『へえ、あんな山の中で、何をしているのだい』

『訊くだけ野暮だろう、近頃、大行山の名物といえば、誰だって、山賊というじゃないか』

『ふーむ……。君が?』

『なにを蔑むのだ。貴様だって今、出来心だろうがおれたちを土民の闇屋と見て、その弱身を恐喝しようとしたじゃないか』

『あやまるよ。何しろもう曠野に日は落ちかけているが、わが胃ぶくろには入る物のあてもない』

『ははは、心細いことをいうなよ、まあ来い、大行山へ』

この男は、夏駿といって、共に御林にいた頃は、すこしも曲がった事はきらいな、剛直ともおもわれた人物だったのに、それが山賊になったとは――どうしても蕭照には信じられない気がした。そのくせ自身がふと抱いたさっきの怖ろしい決意には、さしてふしぎとする反省も覚えられなかった。

山の途中へ来て一泊した。