Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんかい
人間灰
海野 十三
Lesen Sie 人間灰 (にんげんかい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.345 Zeichen · 33 Bildschirme
5
彼は車を降りると、門を入り、玄関からズカズカ中へ入っていった。いつも行きつけているので、玄関脇の大きな応接室へ飛び込むと、そこには一隊の警察官を率いた先客の丘署長が居て、拙い視線をパッタリ合わせた。署長は顔に青筋を立てた。
「いよオ――」と社長は一と声かけた。「いかんじゃないか。折角ひとが聴いとるものを途中で切ってしまうなんて男らしくないぞ」
また先を越された署長は、ポカンと口を開いたまま、一言も云えなかった。
そこへ工場主の赤沢金弥と、青谷技師とが入ってきた。
「やあ、これは……」
と赤沢氏は、元気のない声で署長に挨拶をした。
「署長さんが必ずここへお出でになると思っていましたよ」
と、青谷技師の方は愛想よく云った。
「今日は実は……」と署長は苦が手の方を気にしながら、来意を述べにかかった。「液体空気を一壜貰いにやってきたのです」
赤沢氏はますます泣き出しそうになりながら、幾度も肯いた。赤沢氏は青谷技師に案内を命じたあとで、
「丘さん」と署長の方に向いた、「どうですか、あの事件は。どの位お判りになりましたナ」とオズオズ尋ねた。
「いや、奥さんの敵は、もうすぐ讐ってあげますよ。