Japanische Klassiker mit Furigana
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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme
すると、つづいて背後の方から、大勢の喚く声が聞こえてきた。
主税とあやめとは振り返って見た。
十数人の姿が見えた。
主馬之進と勘兵衛と、覆面の武士と屋敷の使僕たちが、こっちへ走って来る姿であった。二人は腹背に敵を受け、進退まったく谷まった。
一方には十年間開いたことのない、閉扉の館が城壁のように、高く険しく立っている。そしてその反対側は古沼であった。
泥の深さ底が知れず、しかも蛇や蛭の類が、取りつくすことの出来ないほどに、住んでいると云われている、荏原屋敷七不思議の、その一つに数えられている、その恐ろしい古沼であった。
逃げようにも逃げられない。
敵を迎えて戦ったなら、大勢に無勢殺されるであろう。
(どうしよう)
(ここで死ぬのか)
(おお、みすみす返り討ちに遇うのか)
その時何たる不思議であろう!
閉扉の館の裏の門の扉が、内側から自ずとひらいたではないか!
二人は夢中に駆け込んだ。
すると、扉が内側から、又自ずと閉ざされたではないか。
屋内は真の闇であった。
死ぬ運命の二人
閉扉の館の闇の部屋で、主税とあやめとが寄り添っている時、館の外側では頼母や主馬之進や覚兵衛や勘兵衛たちが集まって、ひそやかな声で話し合っていた。