Japanische Klassiker mit Furigana
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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme
だから背後は北にあたり、左は東、右は西にあたる。――ただこういう意味なのだよ」
「でも、そんな和歌が淀屋の財宝と、どんな関係があるのでございます?」と好奇心で眼を輝かせながら、お八重は息をはずませて訊いた。
「淀屋の財宝の所在が、この和歌の中に詠まれているのだよ。……太陽を仰いでいる人間の位置は、東西南北の中央にある。その人間の位置にあたる所に、淀屋の財宝が隠されてあるのさ」
「ではどこかの中央に?」
「この屋敷の中央に?」
「この屋敷の中央とは?」
「荏原屋敷は大昔においては、沼を中央にして作られていたものさ」
「まア、では、財宝は古沼の中に?」
「沼の中央は岩の小島なのさ」
「まア、では、沼の小島の内に?」
「小島の中央は祠なのだ」
「では淀屋の財宝は祠の中に隠されてあるのね」
「そうだ」と老人は感慨深そうに云った。
「そうしてそのことを知っている者は、荏原屋敷の先代の主人と、この飛加藤の亜流だけなのさ。そうしてそのことを記してあったのは、三つの淀屋の独楽だけだったのさ。その独楽は以前には三つながら、荏原屋敷にあったのさ。ところがいつの間にか三つながら、荏原屋敷から失われてしまった。