Japanische Klassiker mit Furigana
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かたきうちきょうだいがさ
仇討姉妹笠
国枝 史郎
Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme
「見上げたの、見上げたものじゃ」
ややあってから松浦頼母は、感心したような声で云った。
「武家に仕える女の身として、そういう覚悟は感心なものじゃ。……使命を仕損じた暁には、たとえ殺されても主人の名は云わぬ! なるほどな、感心なものじゃ」
しかし、何となくその云い方には、おだてるような所があった。そうしてやはり不純なものが、声の中に含まれていた。
「天晴れ女丈夫と云ってもよい。……処刑するには惜しい烈婦じゃ。……とはいえ、お館の掟としてはのう」
網行燈の光に照らされ、猪首からかけて右反面が、薄瑪瑙色にパッと明るく、左反面は暗かったが、明るい方の眼をギラリと光らせ、頼母はにわかに怯かすように云った。
「いよいよ白状いたさぬとあれば、明日其方を打ち首にせよとの、お館様よりのお沙汰なのだぞよ!」
お八重と女猿廻し
しかしお八重は「覚悟の前です」と、そういってでもいるかのように、髪の毛一筋動かさなかった。ただ柘榴の蕾のような唇を、心持噛んだばかりであった。
(どうしてこんなことになったのだろう?)と彼女は心ひそかに思った。
お八重は今から二年ほど前に、奥方様附の腰元として、雇い入れられた女なのであるが、今日の昼間奥方様に呼ばれ、奥方様のお部屋へ行った。