Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かたきうちきょうだいがさ

仇討姉妹笠

国枝 史郎

Lesen Sie 仇討姉妹笠 (かたきうちきょうだいがさ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.178 Zeichen · 159 Bildschirme

Aozora Bunko

触った生物を殺す木なのだ。来る道々按摩を殺し、仲間を殺したその木なのだ。あそこにいる植木師たちの植木の中に、その木が一本雑っているのだよ」

「その東海林自得斎という男、何をしてどこに居りますの?」

「日本一大きな植木師として、秩父山中に住んでいるのだよ。幾個かの山、幾個かの谷、沢や平野を買い占めてのう。幾万本、いや幾十万本の木を、とりこにして置いて育てているのだよ。そうして大名衆や旗本衆や、大金持の人々から、大口の注文を承わっては、即座に数十本であろうと数百本であろうと、どのような珍木異木であろうと、注文通り納めているのだよ」

「そういう大きな植木師をしながら、人を殺す恐ろしい毒の木を、東海林自得斎は育てて居りますのね」

「いいや、今では数を殖やしているのさ。三十年もの間研究して極重悪木を作り上げたのだから、今ではその数を殖やしているのだよ。……憎いと思う人々の屋敷へ植え込んで、そこの人を根絶しにするためにな」

「その恐ろしい木が、極重悪木が、田安家へ植えこまれたと仰有るのね! 今夜も植えこまれると仰有るのね! まあ、こうしてはいられない! お八重様があぶない、お八重様のお命が!」