Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いまどしんじゅう

今戸心中

広津 柳浪

Lesen Sie 今戸心中 (いまどしんじゅう) von 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.688 Zeichen · 74 Bildschirme

Aozora Bunko

お熊どんは二三度来てくれたこともあッたから知ッていよう、三四人の奉公人も使ッていたんだが、わずか一年過つか過たない内に――花魁のところに来初めてからちょうど一年ぐらいになるだろうね――店は失くなすし、家は他人の物になッてしまうし、はははは、私しゃ宿なしになッちまッたんだ」

「えッ」と、吉里はびッくりしたが、「ほほほほ、戯言お言いなさんな。そんなことがあるもんですか」

「戯言だ。私も戯言にしたいんだ」

善吉の様子に戯言らしいところはなく、眼には涙を一杯もッて、膝をつかんだ拳は顫えている。

「善さん、本統なんですか」

「私が意気地なしだから……」と、善吉はその上を言い得ないで、頬が顫えて、上唇もなお顫えていた。

冷遇ながら産を破らせ家をも失わしめたかと思うと、吉里は空恐ろしくなッて、全身の血が冷え渡ッたようで、しかも動悸のみ高くしている。

「お神さんはどうなすッたんです」と、ややあって問ねた吉里の声も顫えた。

「嚊かね」と、善吉はしばらく黙して、「宿なしになッちあア、夫婦揃ッて乞食にもなれないから、生家へ返してしまッたんだがね……。ははははは」と、善吉は笑いながら涙を拭いた。