Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こんにちのぶんがくのしょそう

今日の文学の諸相

宮本 百合子

Lesen Sie 今日の文学の諸相 (こんにちのぶんがくのしょそう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.522 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

と相異することでだけ咎めらるべきでないこと、さらに現代のように巨大な転換期における歴史小説の新しい方向として、従来「主人公」に象徴または反映されていた時間空間は「時間空間」そのものを主役として前面へ押し出され「従来主人公だった人間が却って添景にまで後退するという行き方の小説も試みられてもいいように思う。歴史小説に於てより高い観点が要求されるとき制約のなかで最も留意すべきものはこの時間的及び空間的なものではあるまいか」と云われているのである。

同氏の「南海譚」(文芸)を、作者のそのような歴史小説への意図をふくんで読み、三百年の昔朱印船にのって安南へ漕ぎ出した角屋七郎兵衛の生涯が「角屋七郎兵衛よ、お前が」と語り出されている作者の情感の意味も肯けた。徳川の鎖国の方針が七郎兵衛の運命を幾変転させたばかりでなく、今日の日本の動きにかかわり来っていることも、読者はおのずから行間に会得するだろう。

高木氏の歴史小説への態度には、一つの歩み出した積極なものがあると思う。そして、その積極なものの本質は、時空的なものに対する作家としての態度にかかっており、芥川、菊池の歴史物と本質の相異をなしている。