Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こんにちのじもく

今日の耳目

宮本 百合子

Lesen Sie 今日の耳目 (こんにちのじもく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.228 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

好学心

三月が近づいて来る。試験のいろいろな記事が新聞に出はじめた。それらの記事を人は様々の心で読むだろうが、今年それらの記事に目をさらす幾千かの若い瞳の裡なる人生への思いを考えると、何か苦しくなる。実業学校の卒業生は上級学校へ入れないことになったという事実には、それらの少年たちへのむごさがあると思う。

今日の世界の歴史が切迫し激動しているということから割り出されて来る社会的な必要と云われるもので目前説明されても、やはり世人のうけた感銘からは消されない人生的なものがある。

今度は商業学校の教育方針が変えられて、従来の個人的な儲け専一の心での商業感を新しく鋳直そうとする意図が示されている。商売というものの性質も昨今は急速に変って来ているのだし、従って明治時代に描かれたような個人の立身出世の夢や、この一二年前のような戦時成金への夢想も既に現実のよりどころは喪っている。自分一人の儲け、自分一人の立身出世、それを狙うことの愚かさは云うをまたないことであるのだけれど、ひる間は勤めて夜は実業学校へ通っている少年たちの心の目あては、十人が十人果して功利的な儲けや出世にとどまっていただろうか。