Japanische Klassiker mit Furigana
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こんにちのじもく
今日の耳目
宮本 百合子
Lesen Sie 今日の耳目 (こんにちのじもく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.228 Zeichen · 11 Bildschirme
女で戸主と云えば家つきの娘というわけになって、結婚の問題では千々に心を砕く有様である。
結婚というものが、家の後を立てるという周囲の習慣的な感情からせき立てられることも、若い女性の今日の生活に向っている心には一かたならない負担である。養子として良人を見つけなければならないという条件にも苦しいところがある。粉糖三合もったら養子に行くな、という云いならわしは一面で世情の機微を穿っていて、いくらかの財産があればあったで無ければ無いで、養う親ぐるみ娘を貰わなければならない次第が、結婚をむつかしくするのである。今日の若い婦人が生活の現実を観ている心は、そのような条件をも無視するような男のひとだの、愛だのが、やすやすと身近に在ろうとは予想もしていないであろう。
男のひとの戸主であることには、結婚についてもそういう苦しみは少ないのだと思う。長男であり戸主であり或は戸主たるべきひとがより希望さえされるであろう。男のひとの側にその両親だの同胞たちだのがついていることは、常識が当然のこととして来ているのであるから。
知人のある弁護士は娘さん二人をもっていて、恐らくは種々に考え観察された結果だろう。