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Japanische Klassiker mit Furigana

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なかなかしなぬあいつ

仲々死なぬ彼奴

海野 十三

Lesen Sie 仲々死なぬ彼奴 (なかなかしなぬあいつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.216 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

きっと、そうに違いない。自分を直ぐに室外につまみだしたのも、単に喜助という少年を嫌ったのではなくて、実は自分が薬学についての専門家であることに恐怖を感じて、排斥したものに相違ない)

喜助は、大きな泣き声を、いつの間にか、やさしい泣き逆吃に代えて、こんな想像をめぐらしていたのであった。彼は大きく肯くと、突然颯爽と畳の上に立ち上った。と思ったら、直ぐにペタンと、元の薄汚れに汚れた座蒲団の上へ、崩れるように坐りこんでしまった。

(讐打ちをしても、何になる。死んだおじいさんが、生き返るわけじゃ無いし……)

喜助の心は、どこまでも弱く、そして悧巧であった。死んだ老人を甦らせる手のないのに、何をやっても駄目であるに違いなかった。殊に彼は薬学家として、毒物に対する肯定と尊敬とを持っていた。毒物にやられて呼吸中枢が止り、循環器官が停ると、もう一切のものは破壊へむかって展開するにきまっていると、原書で習った生理学の知識を思いうかべて、アーメンと小さい声で言った。彼が探偵小説の読者ではなかったことを、深く遺憾としなければならない。

その後に来るものは、無間地獄のような悲歎と寂寥とであった。