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Japanische Klassiker mit Furigana

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なかなかしなぬあいつ

仲々死なぬ彼奴

海野 十三

Lesen Sie 仲々死なぬ彼奴 (なかなかしなぬあいつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.216 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

仔鳥にはどこかに友達があるが、彼には凡そ力になって呉れる人物など見当らなかった。彼は恐怖に似た魔物が、背後の真暗からジワジワと忍びよってくるその衣ずれの音を、ハッキリ聞きわけることができるようになった。

梅雨空に重い雲が渦をなして老人の病室近くに舞い下り、枕許につめている人々は、煌々たる電灯の明るさに、昼と夜との錯覚をひきおこすようなことになった或る不気味な日の午後、大熊老人は全く意識不明に陥り、やがてその夕刻、脈膊も薄れて、眠るが如く大往生を遂げてしまった。

喜助少年は、今や前後を忘却して、大声をあげて、泣き喚きながら、老人の亡骸に縋りついた。

「おじいさん。おじいさァん。どうして死んだんです。しっかりして下さァい。もう一遍生きて下さい。冷くなっちゃいやだなァ。よォ、おじいさん、しっかりして下さァい!」

「オイ君、止さないかッ」

突然、頭の上で太い声が怒鳴った。喜助にはそんな声なんか、アルゼンチンでしているようなものだった。喜助が一向その声を聞き入れないのを見ると、太く逞しい腕が四本ばかり、グッと伸びてきて喜助の頸筋をつかんで、その身体を軽々とひっかつぐと、宙を渡らせて、エイヤッ、ドタリと、次の間の畳の上に投げとばした。