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Japanische Klassiker mit Furigana

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なにもの

何者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 何者 (なにもの) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.449 Zeichen · 77 Bildschirme

Aozora Bunko

警部はチラと私の顔を見て、さも磊落に笑って見せたが、その実腹の中ではひどく不快に思っている様子だった。

「何もそんなことを、あなたが御心配なさるには及びませんよ。それにはちゃんと警察なり裁判所なりの機関があるのですから」

「イヤ、御立腹なすっちゃ困りますが、僕は当の被害者なんだから、参考までに聞かせて下すってもいいじゃありませんか」

「お聞かせすることが出来ないのです。というのは、あなたはまだ明瞭になっていない点ばかりお尋ねなさるから」警部は仕方なく笑い出して「足跡の方も目下取調中なんですよ」

「すると確な証拠は一つもないことになりますね。ただ黄金狂と金製盗難品の偶然の一致の外には」

弘一君は無遠慮に云ってのける。私は側で聞いていてヒヤヒヤした。

「偶然の一致ですって」辛抱強い波多野氏もこれには流石にムッとしたらしく「あなたはどうしてそんな物の云い方をするのです。警察が見当違いをやっているとでも云われるのですか」

「そうです」弘一君がズバリととどめをさした。「警察が琴野光雄を逮捕したのは、飛んでもない見当違いです」

「何ですって」警部はあっけに取られたが、併し聞きずてにならぬと云う調子で「君は証拠でもあって云うのですか。