Japanische Klassiker mit Furigana
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なにもの
何者
江戸川 乱歩
Lesen Sie 何者 (なにもの) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.449 Zeichen · 77 Bildschirme
「イヤ、今日になって分ったのです。あの晩はただ黒い人影を見た丈けです」
「理窟はそうかも知らぬが、まさか、あのおとなしい甲田君が……」私は彼の意外な結論を信じ兼ねて口を挟んだ。
「サア、そこだ。僕も友達を罪人にしたくはない。だが、黙っていたら、あの気の毒な狂人が無実の罪を着なければならないのだ。それに、甲田君は決して僕等が考えていた様な善良な男でない。今度のやり口を見給え。奸佞邪智の限りを尽しているではないか。常人の考え出せることではない。悪魔だ。悪魔の所業だ」
「何か確な証拠でもありますか」警部は流石に実際的である。
「彼の外に犯罪を行い得る者がなかったから彼だというのです。これが何よりの証拠じゃないでしょうか。併しお望みとあれば外にもないではありません。松村君、君は甲田君の歩き癖が思い出せるかい」
と、聞かれて、私はハッと思い当ることがあった。甲田が犯人だなどとは夢にも思わぬものだから、ついそれを胴忘れしていたが、彼は確に女みたいな内輪の歩き癖だ。
「そう云えば、甲田君は内輪だったね」
「それも一つの証拠です。だが、もっと確な物があります」
と、弘一君は例の眼鏡サックをシーツの下から取出して警部に渡し、常爺さんがそれを隠した顛末を語ったのち、