Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さくしゃのことば〔『ひ だいいちぶ』〕

作者の言葉〔『火 第一部』〕

坂口 安吾

Lesen Sie 作者の言葉〔『火 第一部』〕 (さくしゃのことば〔『ひ だいいちぶ』〕) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 827 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

日本に戦争があってくれれば――私は二十年前から、そう考えていた。小説家としての私は、私の存命中に戦争に遭遇したいということを、半ば漠然と、しかし、半ば明確に、希望していたことは否定できない。

スタンダールなどを読むたびに、私だったら、戦争をこんな風に書きはしないだろうと考え、なんとかして存命中に戦争にお目にかかりたいと思ったのだ。

人間は平和を愛す動物でもあるが、葛藤のさけがたい動物でもある。人間の本性は葛藤の場にあらわれ、平和はそのあとの結論として出てくるにすぎないものだ。

個人同志の争いよりも、戦争は、人間の本性をもっと露骨にさらけだす。外交の謀略にくらべれば、個人同志の謀略などは問題にならない。個人は法律や義理人情や、いろいろのキヅナによって本性の露出に束縛を加えられているが、国家のうける束縛は軽微で、勝者は万能でもあり、国家の名に於てなされる陰謀は、個人の陰謀よりも人間色が濃厚なのである。

私は人間を書きたいのだ。私のあとう限りの能力によって。そのために、戦争が見たかった。他人の録した戦争ではなく、私自身の目で戦争を見て、私自身の知りうる人間の限界まで究めたかった。