Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかん
俊寛
菊池 寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.455 Zeichen · 35 Bildschirme
無くしていた。その上に、都会人である彼らに、孤島生活の惨苦が、ひしひしと迫ってきた。毎日のように、水に浸した乾飯や、生乾きの魚肉のあぶったものなどを口にする苦しみが、骨身にこたえてきた。彼らは、そうした苦痛を圧倒するような積極的な心持は、少しも動かない。彼らは苦痛が重なれば重るほど、しょげきってしまい、飯を食うほかは、天気のよい日は海浜の砂地で、雨の降る日は仕方なくその狭い小屋の中で、ただ溜息と愚痴とのうちに、一日一日を過していた。そのうちに三人とも激しい不眠症に襲われた。その中でも、神経質の康頼がいちばんひどかった。彼は、夜中眠られない癖がついてしまったので、昼間よく仮寝をする。さっきからも、横になったかと思うと、もうかすかないびきを立てている。長い間、剃刀を当てない髯がぼうぼうとしてその痩せこけた頬を掩うている。その上、褪せた唇の下端には、涎が今にも落ちそうに湛えている。
成経は成経で、妖怪に憑かれたような、きょとんとした目付きで、晴れた大空を、あてどもなく見ながら、溜息ばかりついている。俊寛は、一緒に陰謀を企てた連中の、こうした辛抱のない、腑甲斐のない様子を見ていると、自分自身までが情なくなる。