Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぞくてんし
俗天使
Lesen Sie 俗天使 (ぞくてんし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.894 Zeichen · 16 Bildschirme
なんということも無い、謂わば、れいの如き作品である。可もなく、不可もない「スケッチ」というものであろうか。あれを、見なければよかったのだ。「聖母子」に、気がつかなければ、よかったのだ。私は、しゃあしゃあと書けたであろう。
さっきから、煙草ばかり吸っている。
「わたしは、鳥ではありませぬ。また、けものでもありませぬ。」幼い子供たちが、いつか、あわれな節をつけて、野原で歌っていた。私は家で寝ころんで聞いていたが、ふいと涙が湧いて出たので、起きあがり家の者に聞いた。あれは、なんだ、なんの歌だ。家の者は笑って答えた。蝙蝠の歌でしょう。鳥獣合戦のときの唱歌でしょう。「そうかね。ひどい歌だね。」「そうでしょうか。」と何も知らずに笑っている。
その歌が、いま思い出された。私は、弱行の男である。私は、御機嫌買いである。私は、鳥でもない。けものでもない。そうして、人でもない。きょうは、十一月十三日である。四年まえのこの日に、私は或る不吉な病院から出ることを許された。きょうのように、こんなに寒い日ではなかった。秋晴れの日で、病院の庭には、未だコスモスが咲き残っていた。