Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅぜんじものがたり

修禅寺物語

岡本 綺堂

Lesen Sie 修禅寺物語 (しゅぜんじものがたり) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.737 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

夜叉王 おお、娘か。

かえで 姉さまか。

春彦 して、この体は……。

かつら 上様お風呂を召さるる折から、鎌倉勢が不意の夜討ち……。味方は小人数、必死にたたかう。女でこそあれこの桂も、御奉公はじめの御奉公納めに、この面をつけてお身がわりと、早速の分別……。月の暗きを幸いに打物とって庭におり立ち、左金吾頼家これにありと、呼ばわり呼ばわり走せ出づれば、むらがる敵は夜目遠目に、まことの上様ぞと心得て、うち洩らさじと追っかくる。

夜叉王 さては上様お身替りと相成って、この面にて敵をあざむき、ここまで斬り抜けてまいったか。(血に染みたる仮面を取りてじっと視る)

春彦 われわれすらも侍衆と見あやまったほどなれば、敵のあざむかれたも無理ではあるまい。

かえで とは言うものの、あさましいこのお姿……。姉様死んで下さりまするな。(取り縋りて泣く)

かつら いや、いや。死んでも憾みはない。賤が伏屋でいたずらに、百年千年生きたとて何となろう。たとい半一※(「日+向」、第3水準1-85-25)でも、将軍家のおそばに召し出され、若狭の局という名をも給わるからは、これで出世の望みもかのうた。