Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いだいなるゆめ

偉大なる夢

江戸川 乱歩

Lesen Sie 偉大なる夢 (いだいなるゆめ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.988 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの人の神々しい純情を見ていると、僕は怖くなります。後光に射すくめられるような気がするのです。そして、妙ですね、僕はこの僕の右腕を鉈か何かで斬り落してしまいたいような衝動を感じるのですよ」

新一はギリギリと歯ぎしりを噛んで、烈しい息遣いでそんなことを云ったかと思うと、その次には、何がおかしいのか、ゲラゲラと笑い出した。

「ハハハハハハハ、この腕を、鉈でもって、ハハハハハハハ」

望月少佐は別に驚いた様子もなく、微笑を含んで、じっと新一の顔を見ていた。そして、二人の間に妙に融和しない気拙い空気が漂いはじめた時、ドアが開いて遠藤技師長が入って来た。カーキ色の仕事服を着た、黒い短い口髭のある四十五六歳の好男子である。

「遠藤さん、曲者はあの時第二工場と第三工場の間へ逃げ込んだのです。あすこには今でも見張りが立っているのでしょうね」

新一は何の前置きもなく、性急に訊ねた。

「見張り。アア、見張りはずっと立ててあります。あの辺は一番危い場所ですからね」

技師長は望月少佐に目礼して、面喰ったように答えた。

「すると、曲者は逃げ出す機会を失ったかも知れない。遠藤さん、見張員から何も報告はなかったのでしょうね。