Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いだいなるゆめ
偉大なる夢
江戸川 乱歩
Lesen Sie 偉大なる夢 (いだいなるゆめ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.988 Zeichen · 234 Bildschirme
曹長はその夜遅く東京に着くと、自宅に一夜を過し、翌朝は先ず憲兵隊司令部に行って、彼の任務を報告し、そこで調べられるだけは調べたが、これという手掛りを掴むこともできなかったので、直ちに警視庁に赴き、知合の外事課長を通じて、犯人の指紋の照合を依頼した。
暫らく待っていると、指紋係が一枚の指紋カードを手にして入って来た。
「ありましたよ。これです。お持ちになった写真の指紋とピッタリ一致しています」
「エッ、ありましたか」
三好曹長は案外の吉報に飛び立つ思いであった。写真と指紋カードとを受取って、拡大鏡を借りて見比べると、拇指と人差指の指紋が寸分違わず一致していることが分った。カードの住所氏名欄には「芝区××町一丁目六二番地、韮崎庄平」と記入してある。
「どんな前科があるのですか」
「ところが、前科というほどの前科はないのです。こいつは僕が指紋を採った男で、よく覚えているのですが、変な奴ですよ。マア途方もない変り種ですね」
指紋係はなぜかニヤニヤ笑いながら答えた。
「変り種というと。一つ詳しく話して下さいませんか」
「エエ、ようござんす。自分で指紋を採ったからといって、一々その人間を覚えていられるものではありませんが、こいつは、ひどく変っているので、幸い、よく記憶しているのです。